晴耕雨読でPhilosphiaなスローライフを目指して

日々を,感じ考えるままに書き留めてみる。一部noteに移動しています

読書メモ・寸評

寸評:東大現代文 平成30年度・野家啓一『歴史を哲学する』

*この記事は,東大現代文の点数を手っ取り早くあげたい方が来るところではないので悪しからず。やることがなく暇を持て余した受験生や,課題に飽きた大学生のための暇潰し程度の記事です。 はじめに 先日,偶然に東大の過去問を見てみたら,昨年の出題が野家…

読書メモ:湊かなえ『ポイズンドーター』『ホーリーマザー』

湊かなえの作風:「一人称の語り/騙り」 湊かなえの作品は,大学1年の時に駒場の生協でイヤミスの代表格とされる『告白』を買って以来,その描写の独特さに惹かれる部分があった。彼女の作風が,他の作家と一線を画すのは、徹底して「一人称の語り/騙り」を…

創作紀行:『冬眠』『ネッカーの寝覚め』

しがない学生の東京創作紀行 *この節では,創作紀行の前座を書いているので,創作2編を読みたい方はここを飛ばして,『冬眠』『ネッカーの寝覚め』の各節に進んで欲しい。*1 友人と「変な遊び」を考えて,実際にやってみるのが休日の一つの楽しみである。例…

年末年始の小説寸評 『コンビニ人間』・『人魚の眠る家』

年の瀬の品定め 2018年も終わりに差し掛かったある日,本屋に立ち寄った。本を手にとり,裏表紙にあるあらすじを読み,気になったら中をパラパラとめくってみる。暇なときは,論文か結構マニアックな評論をネットの森から発掘して,時には評論をポチって読む…